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Chebyshev 関数

Chebyshev 関数

日:Chebyshev関数チェビシェフ関数
英:Chebyshev function,仏:Fonction de Tchebychev,独:Tschebyschow-funktion ※1

 二階線形常微分方程式
Chebyshevの微分方程式
の基本解であるChebyshev関数の記号を、第1種・第2種 Chebyshev 関数という。それらは閉じた形
Chebyshev関数の定義
で表わされるため常に初等関数であるが、Chebyshev 関数は種々の理由から特殊関数として扱われる。なお、実変数のChebyshev関数の記号のグラフは、この定義式の形から常に Lissajous 曲線の一部分になることが分かる。
  • 第1種Chebyshev関数と一致するLissajous曲線
  • 第1種Chebyshev関数と一致するLissajous曲線
  • 第1種Chebyshev関数と一致するLissajous曲線
一部分が Chebyshev 関数と一致する Lissajous 曲線の例 (オシロスコープ風)

 なお通常は、二階線形常微分方程式
  • Chebyshevの微分方程式
を満たす基本解の一つとして
  • 第2種Chebyshev関数の別定義
を、第2種 Chebyshev 関数とすることが多い。
 特に Chebyshev 関数は、vが負でない整数nのときは Chebyshev 多項式となり、具体的には
  • Chebyshev多項式
のように表わされる。これらの多項式は、母関数表示や Rodrigues の公式
  • Chebyshev関数の定義
によっても簡潔に表わせる。また、Chebyshev 多項式は直交多項式でもあるが、この点については後述する。
 Chebyshev 関数は、超幾何関数を用いて
  • Chebyshev関数と超幾何関数との関係
と表わされる。
 なお、一般に Chebyshev 関数は、複素平面上z=±1,∞に特異点を持ち、通常は-∞~-1及び+1~+∞に分枝切断線を置く。Chebyshev関数の記号は、z=-1,∞に特異点を持ち、-∞~-1が分枝切断線である。
 また、v次の Chebyshev 関数は、線形漸化式によってv-1次及びv-2次の Chebyshev 関数で表わせる。
 歴史的に Chebyshev 関数は、1853年に P. L. Chebyshev が蒸気機関の制御問題に関連して最適補間法を研究した際、この関数の特殊ケース、すなわち Chebyshev 多項式を扱ったことに始まる。
 応用上、第1種 Chebyshev 多項式は、Fourier 級数と直交多項式の有用な性質を併せ持っているため、数値計算において重要とされる。特に、第1種 Chebyshev 多項式を用いると、平均二乗誤差は大きくなるものの、極端誤差が抑えられるという利点がある。有限実数区間内の与えられた有限個の値をもとに、同区間を多項式で補間するとき、等間隔の補間ノード(零点が等間隔の多項式を用いる)よりも、Chebyshev ノード(Chebyshev 多項式を用いる)のほうが不合理な振動を抑えることができる。実際、Chebyshev 多項式はこの意味で最も良い有限区間の補間法といわれている。

【註記】
※1:ロシア人 Chebyshev の名は、本来はキリル文字で表記される。一般的にラテン文字への転記は複数存在することが珍しくないが、Chebyshev の場合は特にブレが著しく、他にも Chebyshov, Tchebycheff, Tschebyscheff など多数あり、一定していない。

第1種Chebyshev関数の記号

 実変数の第1種 Chebyshev 関数のグラフ。①補間法において重要な整数次の場合v=0~9 (+1)。②非整数次v=0~9 (+0.2)。

 実変数の第1種 Chebyshev 関数のグラフ。(各次数どうしで共有する交点が、無数に存在することを示したグラフ。)
  • 第1種Chebyshev関数のグラフ(実変数)

 複素変数の第1種 Chebyshev 関数第1種Chebyshev関数の記号のグラフ。
 なお、第1種Chebyshev関数:負数次なので、vが負数のときの描画は省略する。
  • 第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)

第2種Chebyshev関数の記号

 実変数の第2種 Chebyshev 関数のグラフ。①整数次v=0~9 (+1)。②非整数次v=0~9 (+0.2)。

 実変数の第2種 Chebyshev 関数のグラフ。(各次数どうしで共有する交点が、無数に存在することを示したグラフ。)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(実変数)

 複素変数の第2種 Chebyshev 関数第2種Chebyshev関数の記号のグラフ。
 なお、第2種Chebyshev関数:負数次なので、vが負数のときの描画は省略する。
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)

第2種Chebyshev関数の記号

 実変数の第2種 Chebyshev 関数のグラフ。①整数次v=0~9 (+1)。②非整数次v=-1~9 (+0.2)。

 実変数の第2種 Chebyshev 関数のグラフ。(各次数どうしで共有する交点が、無数に存在することを示したグラフ。)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(実変数)

 複素変数の第2種 Chebyshev 関数第2種Chebyshev関数の記号のグラフ。
 なお、第2種Chebyshev関数:負数次なので、v<-1のときの描画は省略する。
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • 第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)

Chebyshev 関数(正規化)

 第1種・第2種 Chebyshev 関数Chebyshev関数の記号は、次数vが負でない整数m, nのときは、Chebyshev 多項式となり、直交性
  • Chebyshev関数の直交性
を有する。このため任意の関数は、区間(-1, +1)において Chebyshev 関数の無限級数に展開可能である。通常、直交関数系の理論では、m=nの場合に積分値が1になるように定数倍の調節をする。(これを正規化という。)
 これに示唆を受けて、ここでは始めから正規化され、次数vも整数に限らないとした関数
  • (正規化)Chebyshev関数の定義
を定義する。これを用いれば先の積分は
  • (正規化)Chebyshev関数の直交性
となる。また、第2種 Chebyshev 関数第2種Chebyshev関数の記号に対しても
(正規化)第2種Chebyshev関数の定義
を定義する。この場合は
  • (正規化)第2種Chebyshev関数の直交性
となる(これらの関数記号は、正規化の旨を明示するため独自に導入したものである)。

(正規化)第1種Chebyshev関数の記号

 実変数の(正規化)第1種 Chebyshev 関数のグラフ。①整数次v=0~9 (+1)。②非整数次v=0~9 (+0.2)。

 複素変数の(正規化)第1種 Chebyshev 関数(正規化)第1種Chebyshev関数の記号のグラフ。
 なお、(正規化)第1種Chebyshev関数:負数次なので、vが負数のときの描画は省略する。
  • (正規化)第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第1種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)

(正規化)第2種Chebyshev関数の記号

 実変数の(正規化)第2種 Chebyshev 関数のグラフ。①整数次v=0~9 (+1)。②非整数次v=0~9 (+0.2)。

 複素変数の(正規化)第2種 Chebyshev 関数(正規化)第2種Chebyshev関数の記号のグラフ。
 なお、(正規化)第2種Chebyshev関数:負数次なので、vが負数のときの描画は省略する。
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)

(正規化)第2種Chebyshev関数の記号

 実変数の(正規化)第2種 Chebyshev 関数のグラフ。①整数次v=0~9 (+1)。②非整数次v=-1~9 (+0.2)。

 複素変数の(正規化)第2種 Chebyshev 関数(正規化)第2種Chebyshev関数の記号のグラフ。
 なお、(正規化)第2種Chebyshev関数:負数次なので、v<-1のときの描画は省略する。
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)
  • (正規化)第2種Chebyshev関数のグラフ(複素変数)

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