q-特殊関数 Menu

q-初等関数

q-二項展開

 通常の二項展開
  • 二項展開
を q-類似した次の式を、q-二項展開という。
  • q-二項展開
 q-二項展開は極限操作q→1によって
q-二項展開の還元
のように二項展開に還元される。q-二項展開は関数等式および特殊値
  • q-二項展開の関数等式
を満たす。また、αが整数のときは初等関数になる。
 複素解析関数としての q-二項展開は、一位の極をq-二項展開の極に有する有理型関数である。また零点をq-二項展開の零点に持っている。

q-二項展開の記号

 実変数の q-二項展開のグラフ。順に、①q-二項展開の記号, ②q-二項展開の記号, ③q-二項展開の記号, ④q-二項展開の記号。いずれもq=0.02~0.8 (+0.02)。

 zを複素変数とする q-二項展開q-二項展開の記号のグラフ。
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)

 zを複素変数とする q-二項展開q-二項展開の記号のグラフ。
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)

 zを複素変数とする q-二項展開q-二項展開の記号のグラフ。
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
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 zを複素変数とする q-二項展開q-二項展開の記号のグラフ。
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
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 qを複素変数とする q-二項展開q-二項展開の記号のグラフ。
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)

 qを複素変数とする q-二項展開q-二項展開の記号のグラフ。
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)
  • q-二項展開のグラフ(複素変数)

q-シフト因子

日:q-シフト因子q-シフト階乗
英:q-shifted factorial,仏:q-décalé factorielle,独:q-verschoben fakultät
日:q-Pochhammer記号q-ポッホハンマー記号
英:q-Pochhammer symbol,仏:q-symbole de Pochhammer,独:q-Pochhammer-symbol

 q-解析学において頻繁に現れる有限積あるいは無限積
  • q-シフト因子(q-Pochhammer記号)
は、q-シフト因子 (q-shifted factorial) と呼ばれ、一つの因数のように扱って計算を簡略化する。有限積q-シフト因子の記号は初等関数であるが、無限積q-シフト因子の記号は初等関数ではない。よって、ここでは後者のみグラフを描画する。
 q-シフト因子は、q-Pochhammer 記号と呼ばれることも多い。しかし、Pochhammer 記号Pochhammer記号の無限積Pochhammer記号は発散するため存在しない。
 変数aの関数とした場合の q-シフト因子は超越整関数であり、q-指数関数はこの場合の逆数に相当する。一方、変数qの関数とした場合の q-シフト因子は、単位円を自然境界とし、その内部のみで定義される関数で、楕円モジュラー形式との関連がある※1。
 前述の無限積においてaが負数になった場合は、正数の場合のそれと
aが負数の場合のq-シフト因子
の関係にある。
 しばしば、q-解析学においては複数の q-シフト因子の積を
  • q-シフト因子の多重積
のように表記する。
 q-解析学に現れる q-特殊関数には、多くの q-シフト因子が連なった複雑な式で定義されるものが多い。

【註記】
 ※1:以降および q-特殊関数の頁にあるいくつかのグラフのとおり、当サイトではqを変数とする q-特殊関数が、単位円の外部でも "計算され得る" 場合はその結果で掲載している。しかし、自然境界を越えた (関数が存在しない余白への) 定義域の拡張方法は唯一ではないゆえ、厳密には解析接続ではない。この事は、K. T. W. Weierstrass および J. H. Poincaré 等によって論証されている。
 また、元々は自然境界を持たない関数であるが、単位円の内部と外部で異なる有理関数に収束する無限級数
  • 単位円の内外で解析接続にならない無限級数の例
  • 単位円の内外で解析接続にならない無限級数の例
のような例も存在する。これは、結果が初等関数になるため、二つの関数は互いに他の解析接続になっていないことが明確に分かる。

q-シフト因子の記号

 aを実変数とする q-シフト因子q-シフト因子の記号のグラフ。q=0.02~0.98 (+0.02)。
  • q-シフト因子のグラフ(実変数)

 aを複素変数とする q-シフト因子q-シフト因子の記号のグラフ。
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)

 aを複素変数とする q-シフト因子q-シフト因子の記号のグラフ。
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)

 qを実変数とする q-シフト因子q-シフト因子の記号のグラフ。 a=-0.98~0.98 (+0.02)。
  • q-シフト因子のグラフ(実変数)

 qを複素変数とする q-シフト因子q-シフト因子の記号のグラフ。
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)

 qを複素変数とする q-シフト因子q-シフト因子の記号のグラフ。
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)
  • q-シフト因子のグラフ(複素変数)

q-指数関数

 指数関数を q-類似した
  • q-指数関数の定義
を、q-指数関数という。ここに、冪級数に現れた係数は「q-階乗」と呼ばれる。(→ q-ガンマ関数を参照。)
 q-指数関数は極限操作q→1によって
q-指数関数が還元される場合
のように指数関数に還元される。「q-微分」を
q-微分
と定義すれば、指数関数と同様の
q-指数関数のq-微分
が成立する。すなわち q-指数関数は関数等式 (差分方程式)
q-指数関数の関数等式
を満たす。さらに、変数非可換変数z1、z2が非可換な関係q*z1*z2=z2*z1を満たす量子平面上の変数ならば、指数法則
  • q-指数関数の指数法則
も成立することとなる。(通常の数の場合は成立しない。)
 複素解析関数としての q-指数関数は、一位の極をq-指数関数の極に有する有理型関数である。また、零点は持っていない。

q-指数関数の記号

 実変数の q-指数関数q-指数関数の記号のグラフ。q=0.02~0.98 (+0.02)。
  • q-指数関数のグラフ(実変数)

 zを複素変数とする q-指数関数q-指数関数の記号のグラフ。
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)

 zを複素変数とする q-指数関数q-指数関数の記号のグラフ。
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)

 qを複素変数とする q-指数関数q-指数関数の記号のグラフ。②は、①のグラフの垂直軸を、常用対数目盛にした場合。
 次は、前掲の ①, ②, ④, ⑤のグラフにおいて、描画範囲を単位円内部に限った場合。
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)

 qを複素変数とする q-指数関数q-指数関数の記号のグラフ。②は、①のグラフの垂直軸を、常用対数目盛にした場合。
 次は、前掲の ①, ②, ④, ⑤のグラフにおいて、描画範囲を単位円内部に限った場合。
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)
  • q-指数関数のグラフ(複素変数)

q-対数関数

 q-二項展開に対し、C. J. Thomae の 「q-積分」 を適用して導くことができる、
  • q-対数関数の定義
を、q-対数関数という (これとはかなり異なる定義も存在する)。
 q-対数関数は極限操作q→1によって
q-対数関数が還元される場合
のように対数関数に還元される。しかし、この定義による q-対数関数は、q-指数関数q-指数関数の記号の逆関数とはなっていない。
 複素解析関数としての q-対数関数は、一位の極を負の実軸上に持つ有理型関数である。

q-対数関数の記号

 実変数の q-対数関数q-対数関数の記号のグラフ。q=0.02~0.98 (+0.02)。
  • q-対数関数のグラフ(実変数)

 zを複素変数とする q-対数関数q-対数関数の記号のグラフ。
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)

 zを複素変数とする q-対数関数q-対数関数の記号のグラフ。
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)

 qを複素変数とする q-対数関数q-対数関数の記号のグラフ。2番目は、1番目のグラフの垂直軸を、常用対数目盛にした場合。
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)

 qを複素変数とする q-対数関数q-対数関数の記号のグラフ。 2番目は、1番目のグラフの垂直軸を、常用対数目盛にした場合。
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)
  • q-対数関数のグラフ(複素変数)

q-三角関数

 Euler の公式に倣い、q-指数関数から定義される
  • q-三角関数の定義
を、q-三角関数 (q-正弦関数, q-余弦関数) という。
 q-三角関数は極限操作q→1によって
q-三角関数が還元される場合
のように三角関数に還元される。q-三角関数は関数等式 (差分方程式)
  • q-三角関数の関数等式
を満たす。このほか、通常の三角関数に倣って q-正接関数, q-余接関数, q-正割関数, および q-余割関数
  • その他のq-三角関数の定義
が定義される。
 複素解析関数としての q-三角関数は、一位の極をq-三角関数の極に有する有理型関数である。
 なお、上記とは異なる定義である
  • q-三角関数の異なる定義(楕円テータ関数)
を q-三角関数とすることもある。しかしこれは楕円テータ関数そのものであり、グラフは既にその箇所で触れているので、ここでの描画は省略する (ただし、別頁の 「q-超幾何関数」 系の関数を定義する際に、係数として現れる)。この関数についても、前述と同様に q-正接関数, q-余接関数等が定義される。

q-三角関数の記号

 実変数の q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。q=0.02~0.98 (+0.02)。
  • q-三角関数のグラフ(実変数)

 zを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)

 zを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)

 アニメーション(6.00MB)
 zを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。q=1/50~1 。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数:動画)

 qを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
 ②は、①のグラフの垂直軸を、常用対数目盛にした場合。
 次は、前掲の ①, ②, ④, ⑤のグラフにおいて、描画範囲を単位円内部に限った場合。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)

q-三角関数の記号

 実変数の q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。q=0.02~0.98 (+0.02)。
  • q-三角関数のグラフ(実変数)

 zを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)

 zを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)

 qを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
 ②は、①のグラフの垂直軸を、常用対数目盛にした場合。
 次は、前掲の ①, ②, ④, ⑤のグラフにおいて、描画範囲を単位円内部に限った場合。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)

q-三角関数の記号

 実変数の q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。q=0.02~0.98 (+0.02)。
  • q-三角関数のグラフ(実変数)

 zを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
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 zを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
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  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
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 qを複素変数とする q-三角関数q-三角関数の記号のグラフ。
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)
  • q-三角関数のグラフ(複素変数)

q-円周率

 q-円周率とは、q-ガンマ関数を用いて
q-円周率の定義
と表わされる定数 (qを変数と見れば関数) である。
 q-円周率は極限操作q→1によって
q-円周率が還元される場合
のように円周率に還元される。
 複素関数としての q-円周率は、-∞~0を分枝切断線とし単位円を真性特異線 (真性特異点が集積した線分) とする。したがって厳密には、単位円の内部と外部は互いに他方からの解析接続ではない。

q-円周率の記号

 実変数、および複素変数の q-円周率のグラフ。
  • q-円周率のグラフ(実変数)
  • q-円周率のグラフ(複素変数)
  • q-円周率のグラフ(複素変数)
  • q-円周率のグラフ(複素変数)
  • q-円周率のグラフ(複素変数)
  • q-円周率のグラフ(複素変数)

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