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Questions

特殊関数についての、個人的な未解決事項・疑問・および妄想 …。

多項間算術幾何平均

 Gauss の算術幾何平均(n=2)を拡張した、n項間平均の極限
  • 多項間算術幾何平均の定義
を(勝手に)多項間算術幾何平均と呼んでいる。Gauss の算術幾何平均と同様に、何らかの積分値と一致するような気がするが、これが全く分からない。
 Gauss の場合から推測すると、n項間のときは、n変数のうちの一つは「1」としても一般性を失わないので、本質的には(n-1)変数の楕円モジュラー関数(Riemann テータ関数の特殊値)が満たす関数等式によって、表現できるのではないかと考えている。例えば、
  • 多項間算術幾何平均の関数等式?
のような形の?…。
 つまり、n項間算術幾何平均の値は、種数(n-1)の超楕円積分や Abel 積分の値と関連があるのではないかと推測している。
 しかし、現在も不明である。

双子素数階段関数の近似

 実数x以下の素数の個数を表わす素数階段関数π(x)は、グラフにすると次のようになる。
  • 素数階段関数のグラフ

 同様に、実数x以下の素数の組{p, p+2}(双子素数)の個数を表わす双子素数階段関数双子素数階段関数π2(x)は、グラフにすると次のようになる。
  • 双子素数階段関数のグラフ

 また、この双子素数の分布に関連して、次の関数を考える。
  • 双子素数計数関数?
ここに、Hardy-Littlewood定数は Hardy - Littlewood 定数とする。
 実際の計算においては、これを Gram 級数化した、
  • 双子素数計数関数のGram級数?
を用いる。これは、通常の素数計数関数から Gram 級数を導く方法(積分対数関数Li(x)の冪級数展開式を代入して総和の順序を交換する)と同じ方法で得られる。
 このとき、
π2(x)≒R2(x) (x→∞)
となるであろうか?。
*******
 双子素数階段関数双子素数階段関数π2(x)の増加状況 (黒) を、次の関数と比較する。
双子素数階段関数π2(x)との近似関数双子素数階段関数π2(x)との近似関数双子素数階段関数π2(x)との近似関数
  • 双子素数階段関数との近似比較グラフ

 因みに、R2(z)を複素変数のグラフで見ると次のようになる。
  • 複素変数の双子素数計数関数(?)のグラフ

 R2(exp(z))は、複素関数としての素性がより広範囲で分かる。
  • 複素変数の双子素数計数指数関数(?)のグラフ

 (Mathematica Code 双子素数階段関数および Gram 級数のコードを、「Mathematica Code」 の頁に掲載しています。)

関数の定義における謎

 現在定着している関数の定義について、当サイト管理人が長らく抱いている疑問点の数々。

第2種Legendre関数

 個人的には、第2種 Legendre 陪関数2/π倍したほうが良いと思っている。その理由は、2/π倍すると第1種 Legendre 陪関数と同じ包絡線を持つようになるからである。グラフで確認すれば一目瞭然である。
  • 第1種・第2種Legendre関数のグラフ
  • 第1種・第2種Legendre関数のグラフ
  • 第1種・第2種Legendre関数のグラフ

しかし、実際に定着している定義はこれではない (理由は不明)。
 因みに、第1種と第2種の Bessel 関数は、同じ包絡線を持つ。
  • 第1種・第2種Bessel関数のグラフ

 第2種の Hermite 関数Laguerre 関数Gegenbauer 関数、および Jacobi 関数の定義は(あまり応用されないこともあって)一定していない。実は、当サイトで採用しているこれらの第2種関数は、すべて第1種関数と同じ包絡線を持つような定義となっている (文献等を調べても、恐らく同じ定義は載っていないと思われる※)。

【註記】
※ 第2種 Hermite 関数については、森口繁一・宇田川銈久・一松 信「岩波 数学公式Ⅲ 特殊関数」p.94 に当サイトとほぼ同じ定義 (ただし整数次のみ) の記述がある。

ガンマ関数

 ガンマ関数は階乗の連続化であるが、正確には1ずれている。Euler の業績を分析・整理していた A. M. Legendre が、Euler の定義した階乗関数を「ガンマ関数」と呼ぶことにした際、1ずれた形で定義したためである。その理由はよく分からないが、Legendre はガンマ関数の積分表示形(第2種 Euler 積分)を考察したときに、広義積分のtの区間を[-1, 0][0, ∞)に分けるよりも、[0, 1][1, ∞)に分けるほうを好んだためではないかと推測している。
 なお、H. Jeffreys など一部の数学者は、階乗と一致した
階乗関数z!に対する第2種Euler積分
の使用を提唱したらしい※。このほうが確かに美しく、合理的でもある (好みの問題かもしれないが…)。
 しかし、余程のことがない限り、変更されることは無いだろう。

【註記】
※ G. B. Arfken 著,権平健一郎・神原武志・小山直人:共訳「基礎物理数学2 関数論」p.279。

ガンマ関数の定義にまつわる謎

「連分数+級数」 型の表示式

(2019年8月29日 掲載記事)
 次は、S. Ramanujan によって得られた、大変美しい式である。
  • Ramanujanによる「連分数+級数」型の式
 しかし、連分数と級数に現れる数字のパターンから、何となく合流型超幾何関数系の公式との関連が窺える。実際、これは誤差関数を用いて導くことができる。
 NISTの公式:7.6.2の冪級数展開式から、
  • erf(z)の冪級数展開式
 また、NISTの公式:7.9.1の連分数展開式をやや変形すると、
  • erfc(z)の連分数展開式
となる。因みに Ramanujan は、これとほとんど同じ連分数展開式を (自力で) 求めている。
 よって、erf(z)+erfc(z)=1ゆえ、
  • Ramanujanの式の導出
が得られる (このような種明かしは、むしろ 「Ramanujan 的な神秘性が損なわれて興ざめ」 かもしれない…)。
 当サイト管理人は、この方法を不完全ガンマ関数にも適用した。第1種不完全ガンマ関数の冪級数展開式から、
  • γ(a, s)の冪級数展開式
 また、第2種不完全ガンマ関数の連分数展開式から、
  • Γ(a, s)の連分数展開式
 よって、γ(a, s)+Γ(a, s)=Γ(a)ゆえ、無限遠点を除くNot[z∈Z≦0]全体で収束するガンマ関数の表示式
  • ガンマ関数の「連分数+級数」型表示式
が得られた。導出方法自体に注目すべき所は何もないが、この表示式は結構美しい (?)。
 次のグラフは、この表示式 (両辺をeで割る) の連分数を2n段、級数をn項まで計算した近似関数Γ[n](z)と、ガンマ関数との差の絶対値Abs(Γ[n](z)-Γ(z))を視覚化したものである。
  • ガンマ関数の「連分数+級数」型表示式の収束

 ガンマ関数の頁に掲載した漸近級数と組み合わせて (複素平面上で適用範囲を区分して) コードを記述すれば、割合効率的な実装になるのではなかろうか。
 さて、ほとんど終わりに近付いたが、ここからが本題の "妄想" である。
 他の特殊値や関数についても、「連分数+級数」 または 「連分数+連分数」 の表示式があるだろうか?。しかも、それらが数値計算法上も有用で、関数等の性質について洞察を与え、かつ、規則性がある表示式であれば更に都合が良い。例えば、
 ① 超越数論で問題となる定数:Euler - Mascheroni 定数, 奇数でのゼータ関数値など。
 ② 未解決問題を有する関数:ゼータ関数, 保型関数など。
 ③ 計算が難しい定数や関数。
に対して、そのような表示式が得られないだろうか?。(②のうち Riemann ゼータ関数の表示式を、当サイト管理人は Debye 関数 (不完全ゼータ関数) から求めようとしたが、現在は行き詰まっている。)

【工事中】

 工事中:ここに新規項目の追加を計画しています。
 Under construction:I'm planning to add a new contents here.
工事中

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