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不完全ガンマ関数

不完全ガンマ関数

日:不完全ガンマ関数不完全Γ関数
英:Incomplete gamma function,仏:Fonction gamma incompléte,独:Unvollständige Gammafunktion

 不完全ガンマ関数とは、ガンマ関数の積分表示式「第2種 Euler 積分」の積分区間を変数化した、二つの関数
  • 不完全ガンマ関数の積分表示式
のことである。これは、A. M. Legendre が定義した。両者は互いに
2種類の不完全ガンマ関数間の関係
によって移り変わることができる。また、不完全ガンマ関数は関数等式
不完全ガンマ関数の関数等式
を満たす。特に、この関数等式から不完全ガンマ関数の連分数展開式が導かれる。
 aが正の整数のとき、不完全ガンマ関数は初等関数に還元される。さらに、a=0の場合は積分指数関数a=1/2の場合は誤差関数に還元される。
 zを複素変数とする不完全ガンマ関数は、無限遠点のほかz=0を特異点とする無限多価関数であるが、通常は実軸上の区間-∞~0に分枝切断線を置く。また不完全ガンマ関数は、合流型超幾何関数の特別な場合としても表わすことができる。
 不完全ガンマ関数は、ガンマ関数と同様の積分計算でよく現れる。例えば、Dirichlet 級数の積分表示式や Euler-Maclaurin 和の公式などがある。
 物理学では、量子力学を用いた分子軌道計算などの応用例があるが、不完全ガンマ関数そのものを用いることは少ない。前述の特別なaの値の場合が応用上も重要になることが多い。
 なおnを正の整数とするとき、γ(a+n,z)γ(a, z)に初等関数を加減乗除したものになる。

不完全ガンマ関数の記号

 a, zを実2変数とする不完全ガンマ関数のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(実2変数)

 zを実変数とする不完全ガンマ関数のグラフ。a=-5~5 (+0.1刻み),(刻みの増により、赤→橙→黄…に変化。)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(実変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(z=変数, a=5/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(z=変数, a=-5/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 aを実変数とする不完全ガンマ関数のグラフ。z=0~5 (+0.1),(赤→橙→黄…。)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(実変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(a=変数, z=7/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(a=変数, z=-1/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

不完全ガンマ関数の記号

 a, zを実2変数とする不完全ガンマ関数のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(実2変数)

 zを実変数とする不完全ガンマ関数のグラフ。a=-5~5 (+0.1),(赤→橙→黄…。)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(実変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(z=変数, a=5/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(z=変数, a=-5/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 aを実変数とする不完全ガンマ関数のグラフ。z=0~5 (+0.1),(赤→橙→黄…。)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(実変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(a=変数, z=1/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ガンマ関数(a=変数, z=-1/3)のグラフ。
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

正則化不完全ガンマ関数

 正則化不完全ガンマ関数とは、
  • 正則化不完全ガンマ関数の定義
のように不完全ガンマ関数をaのガンマ関数で除して、不定形となる場合を回避したものである。したがって、計算の途中では不完全ガンマ関数を使うよりも、正則化不完全ガンマ関数を使ったほうが都合の良い場合がある。
 なお、他の正則化として、次のような形にも稀に遭遇する。
  • 正則化不完全ガンマ関数γ*(a,z)の定義
このように正則化すると、azが実数のときは正則化不完全ガンマ関数γ*(a,z)も常に実数値をとるようになる。この関数は、例えば M. Abramowitz & I. Stegun 著「Handbook of Mathematical Functions」 p.260 などで記述がある。
 二つの関数は
2種類の正則化不完全ガンマ関数間の関係
のように、定数1の差しかない。よって以下の描画では正則化不完全ガンマ関数Q(a,z)は扱わない。

正則化不完全ガンマ関数P(a,z)の記号

 a, zを実2変数とする正則化不完全ガンマ関数のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(実2変数)

 実変数の正則化不完全ガンマ関数のグラフ。
 順に、①:z=変数,a=-5~5 (+0.1)、②:a=変数,z=0~5 (+0.1)。(いずれも、赤→橙→黄…。)

 zを変数とする正則化不完全ガンマ関数P(a,z)の記号は、不完全ガンマ関数の記号と定数倍の違いしかないので、複素変数のグラフは省略する。
 複素変数の正則化不完全ガンマ関数(a=変数, z=7/3)のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の正則化不完全ガンマ関数(a=変数, z=-1/3)のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

正則化不完全ガンマ関数Q(a,z)の記号

 正則化不完全ガンマ関数P(a,z)の記号と 定数1しか違わないので、描画は省略する。

正則化不完全ガンマ関数γ*(a,z)の記号

 a, zを実2変数とする正則化不完全ガンマ関数のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(実2変数)

 zを実変数とする正則化不完全ガンマ関数のグラフ。a=-5~5 (+0.1),(赤→橙→黄…。)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(実変数)

 複素変数の正則化不完全ガンマ関数(z=変数, a=5/3)のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の正則化不完全ガンマ関数(z=変数, a=-5/3)のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 aを実変数とする正則化不完全ガンマ関数のグラフ。z=-5~5 (+0.1),(赤→橙→黄…。)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(実変数)

 複素変数の正則化不完全ガンマ関数(a=変数, z=7/3)のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の正則化不完全ガンマ関数(a=変数, z=-1/3)のグラフ。
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ガンマ関数のグラフ(複素変数)

 正則化不完全ガンマ関数を用いた美しい例。順に、
 正則化不完全ガンマ関数γ*(a,z)(①:実部,②:虚部),正則化不完全ガンマ関数γ*(a,z)(③:絶対値,④:偏角),正則化不完全ガンマ関数γ*(a,z)(⑤:実部,⑥:虚部)

関数sg(a,z),cg(a,z)の記号

 この関数は、正則化不完全ガンマ関数正則化不完全ガンマ関数P(a,z)の記号を用いて、独自に定義したものである。
  • 関数sg(a,z),cg(a,z)の定義
 著しい性質として、aが負でない整数のとき、
関数sg(a,z),cg(a,z)の意味(冪級数展開)
となる。つまり有限和の連続化となる。
 関数sg(a,z)の記号のグラフ(①:実変数,②:実2変数a,z),関数cg(a,z)の記号のグラフ(③:実変数,④:実2変数a,z)。
実変数①③は、いずれもa=0~20 (+0.1)とする。

不完全ベータ関数

日:不完全ベータ関数
英:Incomplete beta function,仏:Fonction bêta incompléte,独:Unvollständige Betafunktion

 不完全ベータ関数は、ベータ関数の積分表示式「第1種 Euler 積分」の積分区間を変数化した、
  • 不完全ベータ関数の積分表示式
である。これも不完全ガンマ関数同様、Legendre によって定義された。
 zを複素変数とする不完全ベータ関数は、無限遠点のほかz=0, 1を特異点とする無限多価関数であるが、通常は区間-∞~0および1~+∞に分枝切断線を置く。また不完全ベータ関数は、超幾何関数の特別な場合としても表わせる。
 物理学等における不完全ベータ関数の応用例は少ない。

不完全ベータ関数の記号

 実2変数の不完全ベータ関数(z, a=変数,b=2/3)のグラフ。(①:実部,②:虚部)

 実2変数の不完全ベータ関数(z, b=変数,a=2/3)のグラフ。(①:実部,②:虚部)

 実2変数の不完全ベータ関数(a, b=変数,z=2/3)のグラフ。(①:実部,②:虚部)

 複素変数の不完全ベータ関数(z=変数,a=7/3,b=-1/4)のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ベータ関数(z=変数,a=-7/3,b=-5/4)のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ベータ関数(a=変数,z=7/3,b=1/4)のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ベータ関数(a=変数,z=-7/3,b=1/4)のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ベータ関数(b=変数,z=7/3,a=-1/4)のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の不完全ベータ関数(b=変数,z=-7/3,a=-1/4)のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

一般化不完全ベータ関数の記号

 ここでは、一般化不完全ベータ関数の記号の形をした不完全ベータ関数のうち、美しいと思われる例のみ掲げる。
 実変数の一般化不完全ベータ関数のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(美しい例:実変数)

 複素変数の一般化不完全ベータ関数のグラフ。
  • 不完全ベータ関数のグラフ(美しい例:複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(美しい例:複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(美しい例:複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(美しい例:複素変数)
  • 不完全ベータ関数のグラフ(美しい例:複素変数)

正則化不完全ベータ関数

 正則化不完全ベータ関数とは、
正則化不完全ベータ関数の定義
のように不完全ベータ関数をa, bのベータ関数で除して、不定形となる場合を回避したものである。したがって、計算の途中では不完全ベータ関数を使うよりも、正則化不完全ベータ関数を使ったほうが都合の良い場合がある。

正則化不完全ベータ関数の記号

 実2変数の正則化不完全ベータ関数(z, a=変数,b=2/3)のグラフ。(①:実部,②:虚部)

 実2変数の正則化不完全ベータ関数(z, b=変数,a=2/3)のグラフ。(①:実部,②:虚部)

 実2変数の正則化不完全ベータ関数(a, b=変数,z=2/3)のグラフ。(①:実部,②:虚部)

 zを変数とする正則化不完全ベータ関数正則化不完全ベータ関数の記号は、不完全ベータ関数をa, bのベータ関数で除しているだけなので、その値は不完全ベータ関数の記号と定数倍しか違わない。よってこの場合は描画しない。
 複素変数の正則化不完全ベータ関数(a=変数,z=7/3,b=-1/4)のグラフ。
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の正則化不完全ベータ関数(a=変数,z=-7/3,b=1/4)のグラフ。
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の正則化不完全ベータ関数(b=変数,z=7/3,a=-1/4)のグラフ。
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の正則化不完全ベータ関数(b=変数,z=-7/3,a=1/4)のグラフ。
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)
  • 正則化不完全ベータ関数のグラフ(複素変数)

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