特殊関数 グラフィックスライブラリー
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Legendre 関数に関連する関数
円環関数
日:円環関数,英:Toroidal function,仏:Fonction toroïdal,独:Toroidale funktion
円環座標を用いて、Laplace 方程式の解をの形に変数分離すれば※1、各座標方向は、
となる。の方向に現れる Legendre 陪関数がこの形になる理由は、が正の実数を動くときとなるので Hobson 型となり、さらに方向の指数関数の位相が整数倍になるよう、の 1/2 ずれをに寄せたからである。それゆえ, は、第1種および第2種円環関数と呼ばれる。円環関数の物理学等への応用事例は、多くが上記の Laplace 方程式の解に由来し、境界条件が円環である他は Legendre 陪関数のそれに類似している。特筆すべき応用事例として、トカマク型の核融合炉内部に封じ込められたプラズマの分布が挙げられる。
以降では、二階の線形常微分方程式
の解の基本系を成す二つの関数を円環関数と称し、を複素数にまで拡張する。円環関数の超幾何関数表示式や積分表示式は Legendre 陪関数から導かれるので省略するが、M. Abramowitz & I. Stegun 「Handbook of …」 の336頁等に若干数が掲載されている。
円環関数, は、からの影響での周期を持つが、同時に区間の分枝切断線によって、単連結でない無数の分枝に細分されてしまう。そこで当サイトでは、下図のような解析接続によって分枝が単連結となる円環関数, を採用する。
この関数は、前述の Laplace 方程式で専ら必要となる実変数を含む領域では、
となるが、一般に他の領域では一致せず、周期関数にもならない。この解析接続では、主に Hobson 型の頁に掲載している解析接続公式および Ferrers 型との分枝関係式を用いる※2。
【註記】
※1:偏微分方程式の解が、変数分離できない関数因子を伴った、
の形にならば分離できる場合を、- 分離可能 (- Separable) という。
※2:Mathematica のコード 「GaussHypergeometric.m」 では、Ferrers 型または Hobson 型の Legendre 陪関数に、余弦関数または双曲線余弦関数を代入した関数の、様々な解析接続を実装した。これを用いれば、当サイトとは異なる分枝切断線を持つ円環関数 (または後述の円錐関数) も計算できる。
※1:偏微分方程式の解が、変数分離できない関数因子を伴った、
の形にならば分離できる場合を、- 分離可能 (- Separable) という。
※2:Mathematica のコード 「GaussHypergeometric.m」 では、Ferrers 型または Hobson 型の Legendre 陪関数に、余弦関数または双曲線余弦関数を代入した関数の、様々な解析接続を実装した。これを用いれば、当サイトとは異なる分枝切断線を持つ円環関数 (または後述の円錐関数) も計算できる。
を実変数とする、第1種円環関数のグラフ。①整数次, ②実数次。
虚軸上での第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を実変数とする、第1種円環関数のグラフ。①整数次, ②実数次。
虚軸上での第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を実変数とする、実数次の第1種円環関数のグラフ。
(が非整数のとき、はで一般に実数値を取らない。)
虚軸上での第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円環関数のグラフ。
を実変数とする、第2種円環関数のグラフ。①整数次, ②実数次。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を実変数とする、第2種円環関数のグラフ。①整数次, ②実数次。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
が非整数のとき、を実変数とする第2種円環関数は、実軸上で一般に実数値を取らない。よってのグラフは描画しない。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円環関数のグラフ。
円錐関数
日:円錐関数,英:Conical function,仏:Fonction conique,独:Kegelfunktion
二階の線形常微分方程式
の解の基本系を成す二つの関数を、第1種および第2種円錐関数という※1。円錐関数の各種表示式も Legendre 陪関数から導かれるので省略するが、M. Abramowitz & I. Stegun 「Handbook of …」 の337頁等に若干数が掲載されている。
円錐関数, は、からの影響での周期を持つが、同時に区間の分枝切断線によって、単連結でない無数の分枝に細分されてしまう。そこで当サイトでは、下図のような解析接続によって分枝が単連結となる円錐関数, を採用する。
この関数は、元々の円錐関数で専ら必要となる実変数を含む領域で、
となるが、一般に他の領域では一致せず、周期関数にもならない。この解析接続も、主に Hobson 型の頁に掲載している解析接続公式および Ferrers 型との分枝関係式を用いる。
この関数が名称に "円錐" を冠する理由は、やや複雑である。G. F. Mehler は1881年の論文※2で、球座標 (ただし軸が回転軸 ― つまり横倒し ― になっている) のうち円錐となる座標面を用いて、円錐面上における静電位分布を論じた。また論文の緒言で、球座標における Laplace 方程式の解である球関数等は、座標面を他の円錐曲面、例えば円柱面や回転放物面、回転双曲面等に移す極限を取れば、様々な円錐曲面に依拠する関数が現れる事に触れ、これがよく知られた円錐曲線の分類 (Conic section) に類似していると述べている。
以上のことを踏まえて、Mehler は論文中で度々用いた積分関数
を "円錐関数" と呼んでおり、恐らくこれが名称の起源になっていると思われる。また、円錐関数はしばしば 「Mehler の関数」 と呼ばれる。
Laplace 方程式の解として円錐関数が現れるような変数分離の座標系は円錐座標※3ではなく、強いて言えば双極座標である。C. Neumann は1881年の論文※4で紡錘形※5の周囲に生じる電界を論じた際、双極座標を用いて "Mehler の円錐関数" を導き、これを詳しく考察している。
実際、双極座標によって、Laplace 方程式の解をの形に変数分離し、さらに位相の 1/2 ずれをに寄せれば※6、各座標方向は
となり、の方向に円錐関数が現れる。また、解は紡錘形の周囲に良く適合する結果となる。
NISTの14.20で定義されている円錐関数は、の符号を変えれば、第1種は当サイトの (解析接続しない方の) 定義と一致するが、第2種は大きく異なり、
となっている (ただし、NISTでは引数に余弦関数を代入しない)。この関数に対しても、分枝が単連結となるよう前述と同様の解析接続を施して、
を満たすようにした関数を独自に導入する。
【註記】
※1:引数に余弦関数を代入しない定義、さらにの場合を、円錐関数と呼ぶことも多い。
なお、, のグラフは、既に Legendre 関数の頁に多数掲載している。
※2:Ueber eine mit den Kugel- und Cylinderfunctionen verwandte Function und ihre Anwendung in der Theorie der Elektricitatsvertheilung. Mathematische Annalen 18 (1881) p.161-194
※3:円錐座標ならば、3方向の解のうち2方向は (代数的) Lamé 関数、1方向は冪関数が基底関数になる。円錐座標における円錐面は実際には楕円錐面であるため、双極座標よりもはるかに複雑になる。
※4:Ueber die Mehler'schen Kegelfunctionen und deren Anwendung auf elektrostatische Probleme. Mathematische Annalen 18 (1881) p.195-236
※5:Neumann は、この紡錘形をコノイド (Conoid) と称しているが、現在通用しているコノイドは一般的な線織面のことを言うので、意味が異なる。
※6:本来、双極座標における Laplace 方程式の解は、位相の 1/2 ずれをに寄せず、
とするのが標準的な表示である。その場合、固有関数の図は次のようになる。
※1:引数に余弦関数を代入しない定義、さらにの場合を、円錐関数と呼ぶことも多い。
なお、, のグラフは、既に Legendre 関数の頁に多数掲載している。
※2:Ueber eine mit den Kugel- und Cylinderfunctionen verwandte Function und ihre Anwendung in der Theorie der Elektricitatsvertheilung. Mathematische Annalen 18 (1881) p.161-194
※3:円錐座標ならば、3方向の解のうち2方向は (代数的) Lamé 関数、1方向は冪関数が基底関数になる。円錐座標における円錐面は実際には楕円錐面であるため、双極座標よりもはるかに複雑になる。
※4:Ueber die Mehler'schen Kegelfunctionen und deren Anwendung auf elektrostatische Probleme. Mathematische Annalen 18 (1881) p.195-236
※5:Neumann は、この紡錘形をコノイド (Conoid) と称しているが、現在通用しているコノイドは一般的な線織面のことを言うので、意味が異なる。
※6:本来、双極座標における Laplace 方程式の解は、位相の 1/2 ずれをに寄せず、
とするのが標準的な表示である。その場合、固有関数の図は次のようになる。
を実変数とする、第1種円錐関数のグラフ。①整数次, ②実数次。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を実変数とする、第1種円錐関数のグラフ。①整数次, ②実数次。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を実変数とする、実数次の第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第1種円錐関数のグラフ。
実変数で第2種円錐関数は一般に実数値を取らない。よって、実変数のグラフは描画しない。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を実変数とする、実数次の第2種円錐関数のグラフ。①, ②, ③。
複素変数の第2種円錐関数のグラフは、実軸方向に移動した以外はのそれと似ているので、二つの事例のみを描画する。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。
を複素変数とする、第2種円錐関数のグラフ。