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Lamé 関数

Lamé 関数

日:Lamé関数ラーメ関数ラメ関数
英:Lamé function,仏:Fonction de Lamé,独:Lamésche funktion

 Laplace の方程式を楕円体座標で変数分離すると、その各成分の満たす微分方程式は、いずれも
  • 代数的なLaméの微分方程式
の形に帰着できる。これを、代数的な Lamé の微分方程式といい、その解を 代数的 Lamé 関数という※1。代数的な Lamé の微分方程式は、1837年に G. Lamé によって初めて導入された。
 代数的な Lamé の微分方程式は、Laméの微分方程式の確定特異点:e1,e2,e3,∞に確定特異点を持ち、超幾何微分方程式、(代数的な) Mathieu の微分方程式、および回転楕円体波動微分方程式よりも特異点の個数が多い。
 代数的な Lamé の微分方程式は、Jacobi の楕円関数を用いた変換
  • Laméの微分方程式の楕円関数による変換
によって
  • Laméの微分方程式
なる形に帰着できる※2。通常はこれを Lamé の微分方程式、その解を Lamé 関数という場合が多い (ここでもこれを扱う)。
 Lamé の微分方程式は、より一般的な Hill の微分方程式の特別な場合である。したがって Floquet の定理により、Lamé の微分方程式の固有値hが適当な値をとるとき、 二つの基本解の一方は完全楕円積分2Kまたは4Kを周期とする周期関数になる。このうち、極限k→0のときに (すなわちh→n^2(nは整数)のときに)cos(nπ/2-nz)に近づく解、sin(nπ/2-nz)に近づく解をそれぞれ第1種Lame関数の記号と表記し、第1種 Lamé 関数という。また、そのときの固有値をそれぞれLame固有値関数の記号と表記し、Lamé 固有値関数という (詳細は後述)※3。
 第1種 Lamé 関数は周期関数であるため、次のように Fourier 級数に展開できる (ただし、φ=π/2-am(z,k)とする)。
  • 第1種Lame関数のFourier級数
ここに、Fourier 係数第1種Lame関数のFourier級数の係数等は、次の漸化式、および規格化条件式を満たす (m≧1とする)。
  • 第1種Lame関数のFourier係数の漸化式
 第1種 Lamé 関数は、直交性
  • 第1種Lame関数の直交性
を有する。ただし、mnは一方が偶数(奇数)のとき、もう一方も偶数(奇数)とする。併せて、Fourier係数C,DLamé 多項式の所で説明している Fourier 係数と同じである。
 また、第1種 Lamé 関数とは反対の偶奇性を持ち、非周期的な第2の基本解
  • 第2種Lame関数の定義式
を、第2種 Lamé 関数という。ここに、積分の下端定数μは初期条件
  • 第2種Lame関数の初期条件
を満たすように選んだ任意定数であるとする。
 第2種 Lamé 関数は、周期性の代わりに次の関数等式を満たす。
  • 第2種Lame関数の関数等式
 このほか、第3種 Lamé 関数として
  • 第3種Lame関数の記号
を独自に定義する。これは指数関数や Hankel 関数の類似である。
 一般に Lamé 関数は、複素平面上で Jacobi の楕円関数がsn(z,k)=±∞となるようなzにおいて対数分岐点を持つ無限多価関数である。しかし、v, nがともに自然数でv≧nとなる特別な第1種 Lamé 関数は、初等代数関数に Jacobi の楕円関数を代入したものに還元される。これは 「Lamé 多項式」 と呼ばれる一価有理型関数である。すなわち、この場合の第1種 Lamé 関数の分枝切断線は、その両端での関数値が一致するために消失する。
 Lamé の微分方程式は、19世紀中頃から超幾何微分方程式に次いで注目された線形常微分方程式の具体例である。楕円関数に対する興味も背景にあって、G. Lamé を始め、C. Hermite、J. Liouville、H. E. Heine 等、多くの数学者が Lamé の微分方程式を研究した。さらに、1881年に G. H. Halphen は、楕円関数を係数とする一般的な線形常微分方程式に関する論文を発表した。
 しかし、Lamé の微分方程式のように固有値 (アクセサリーパラメーター) を持つ線形常微分方程式の理論は、超幾何微分方程式のそれに比べて格段に難しい。例えば、「Gauss - Schwarz 理論」 の拡張 ― 基本領域の半分が円弧四角形である保型関数を、Lamé (または後述の Heun) 微分方程式の2基本解の比の逆関数で表わす理論 ― は、可能であることが分かっていても、実際に具体的な係数を決定するのは大変困難である。このように、不明な点も多いため現在でも研究が続けられている。
 Lamé 関数の古典的応用事例としては、楕円体の平衡形状論のように境界条件が楕円体である場合の物理問題や、惑星の温度分布などが知られるが、計算が複雑で取り扱いも難しいため限られていた。しかし、電子計算機の性能がかなり向上した現在では、Lamé 関数に対する抵抗感も薄まる傾向にあり、後述の Heun 関数とともに応用事例の数は増えつつある (楕円体関数系の特殊関数は、21世紀になってようやく Bessel 関数並に駆使できる時代が到来したと言えるのかもしれない)。

【註記】
※1 : Laplace の方程式を円錐座標で変数分離したときも、座標の2方向で代数的な Lamé の微分方程式が現れる。なお、代数的 Lamé 関数のグラフの概形は、より標準的な Heun 関数のそれに似ていると思われる。

※2 : 他にも、Weierstrass の楕円関数や三角関数を用いた変換によって得られる形など、Lamé の微分方程式は二三の異なる形が存在する。

※3 : ここに記述した第1種 Lamé 関数、後述の Lamé 多項式、Lamé 固有値関数の公式、およびグラフの結果は、「NIST - Handbook of Mathematical Functions」 に基づいているので、さらに詳細な情報が必要な場合は同著 (Web 版のほうがより詳しい) を併せて参照して下さい。(ただし、「NIST」 でのk^2を、ここではkと表記している。)

第1種Lamé関数の記号

 実変数の第1種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第1種Lamé関数の記号, ②第1種Lamé関数の記号, ③第1種Lamé関数の記号, ④第1種Lamé関数の記号。いずれもv=-0.5~20 (+0.25)。
 実変数の第1種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第1種Lamé関数の記号, ②第1種Lamé関数の記号, ③第1種Lamé関数の記号。いずれもn=0~9 (+1)。

 複素変数の第1種 Lamé 関数第1種Lamé関数の記号のグラフ。
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 複素変数の第1種 Lamé 関数第1種Lamé関数の記号のグラフ。
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 複素変数の第1種 Lamé 関数第1種Lamé関数の記号のグラフ。
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 複素変数の第1種 Lamé 関数第1種Lamé関数の記号のグラフ。
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 複素変数の第1種 Lamé 関数第1種Lamé関数の記号のグラフ。v=0~5 (+0.1)。
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第1種Lame関数の記号

 実変数の第1種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第1種Lame関数の記号, ②第1種Lame関数の記号, ③第1種Lame関数の記号, ④第1種Lame関数の記号。いずれもv=-0.5~20 (+0.25)。

 実変数の第1種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第1種Lame関数の記号, ②第1種Lame関数の記号, ③第1種Lame関数の記号。いずれもn=1~9 (+1)。

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第2種Lamé関数の記号

 実変数の第2種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第2種Lamé関数の記号, ②第2種Lamé関数の記号, ③第2種Lamé関数の記号, ④第2種Lamé関数の記号。いずれもv=-0.5~20 (+0.25)。

 実変数の第2種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第2種Lamé関数の記号, ②第2種Lamé関数の記号, ③第2種Lamé関数の記号。いずれもn=0~9 (+1)。

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 複素変数の第2種 Lamé 関数第2種Lamé関数の記号のグラフ。
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第2種Lame関数の記号

 実変数の第2種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第2種Lame関数の記号, ②第2種Lame関数の記号, ③第2種Lame関数の記号, ④第2種Lame関数の記号。いずれもv=-0.5~20 (+0.25)。

 実変数の第2種 Lamé 関数のグラフ。順に、①第2種Lame関数の記号, ②第2種Lame関数の記号, ③第2種Lame関数の記号。いずれもn=1~9 (+1)。

 複素変数の第2種 Lamé 関数第2種Lame関数の記号のグラフ。
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 複素変数の第2種 Lamé 関数第2種Lame関数の記号のグラフ。
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 複素変数の第2種 Lamé 関数第2種Lamé関数の記号のグラフ。
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第3種Lame関数の記号

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第3種Lame関数の記号

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 複素変数の第3種 Lamé 関数第3種Lamé関数の記号のグラフ。
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Lamé 多項式

日:Lamé多項式ラーメ多項式ラメ多項式
英:Lamé polynomials,仏:Polynôme de Lamé,独:Laméschen Polynom

 第1種 Lamé 関数第1種Lame関数の記号v, nがともに自然数でv≧nとなる特別な場合は、Lamé 多項式と呼ばれている。これは、代数的な Lamé の微分方程式の解が、この場合に多項式、または多項式と無理関数との積に還元されることによる名称である。よって、Lamé 多項式は 「多項式」 と言いつつも、実質は Jacobi の楕円関数で表わされる。
 現在、Lamé 多項式は無理関数因子の型に基づいて8種類に分類されている。それらを一般に通用している関数記号とともに、第1種 Lamé 関数との関係式で表わすと、次のようになる。
  • Lamé多項式の定義式
したがって、Lamé 多項式が満たす公式等は第1種 Lamé 関数のそれと同じである。特に、数値計算に便利な Fourier 級数は全く同じものが使用できる。しかし実際は、このうちのLamé多項式の記号(d,sd,cd)Lamé多項式の記号(d,sd,cd)Lamé多項式の記号(d,sd,cd)およびLamé多項式の記号(scd)において、Fourier 係数Fourier係数(A, B)の規格化定数を求める際に不定形が出現する。そこで、これを回避するための代替公式として
  • 第1種Lamé関数のFourier級数(代替公式)
を用いることができる。ここに、係数Fourier級数(代替公式)の係数C等は次の漸化式、および規格化条件式を満たす (m≧1とする)。
  • Fourier級数(代替公式)の漸化式と規格化
 つまり、第1種 Lamé 関数の場合も、係数を求める過程で不定形が出現するためにFourier係数(A, B)が使えないときは、上記の Fourier 級数を用いて計算する。
 n=0のときの Lamé 多項式は最も簡単な形になり、具体的に Jacobi の楕円関数によって表わすと
  • n=0の場合のLamé多項式
となる。ここに現れた形の楕円関数は、それぞれの Lamé 多項式において常に発生する因子であり、代数的な Lamé の微分方程式の解では無理関数因子に相当する。また、Lamé 多項式の関数記号の由来でもある。
 なお、実変数のグラフは、前項で掲示した第1種 Lamé 関数のそれに部分的に含まれているので省略する。また、複素変数のグラフは、Lamé 多項式が初等代数関数に Jacobi の楕円関数を代入した関数であることを踏まえて、各々2種類のグラフ (3次元絶対値グラフ、およびその平面グラフ) に留める。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。
 (n=0の場合は定数関数となるので描画しない。)

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 0, 1, 2の順。

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 0, 1, 2の順。

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 0, 1, 2の順。

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 0, 1, 2の順。

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 0, 1, 2の順。

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 0, 1, 2の順。

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

Lamé多項式の記号

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 0, 1, 2の順。

 複素変数の Lamé 多項式Lamé多項式の記号のグラフ。2種類のグラフごとにn = 1, 2, 3の順。

一般 Lamé 関数

 hが固有値とは限らない任意定数であるとした、Lamé の微分方程式
  • Laméの微分方程式
を直接解いて得られる、次の初期条件を満たす解
一般Lamé関数の記号
を、ここでは一般 Lamé 関数と呼ぶこととする。(この名称、および関数記号は独自のものである。)
 特に、hが固有値である場合は、第1種 Lamé 関数と第2種 Lamé 関数の線形結合
  • 一般Lamé関数の特別な場合
で表わされる。すなわち、第1種~第3種 Lamé 関数はこの特殊型である。
 一般 Lamé 関数も、複素平面上で Jacobi の楕円関数がsn(z,k)=±∞となるようなzにおいて対数分岐点を持つ無限多価関数である。

一般Lamé関数の記号

 実変数の一般 Lamé 関数のグラフ。順に、①一般Lamé関数の記号一般Lamé関数の記号
 いずれもv=-0.5~20 (+0.25)。

 実変数の一般 Lamé 関数のグラフ。順に、①一般Lamé関数の記号一般Lamé関数の記号
 いずれもh=-10~10 (+0.25)。水色→青→赤(h=0)→黄→緑。

 複素変数の一般 Lamé 関数一般Lamé関数の記号のグラフ。
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 複素変数の一般 Lamé 関数一般Lamé関数の記号のグラフ。
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 複素変数の一般 Lamé 関数一般Lamé関数の記号のグラフ。h=0~12 (+0.2)。
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Lamé 固有値関数

 Lamé の微分方程式
  • Laméの微分方程式
についても、Mathieu 関数と同様に Floquet の定理が適用できて、二つの基本解wのうち一方は必ず
Floquetの解
なる擬周期性を持つ解となる。この擬周期性基本解が実定義域で有界となるようなhの値域を 「安定域」 といい、有界とならないようなhの値域を 「不安定域」 という。
 固有値hを、vと次数nおよび母数kの関数と考え、Lamé 固有値関数という。周期関数第1種Lame関数の記号に対する固有値hLame固有値関数の記号 、周期関数第1種Lame関数の記号に対する固有値hLame固有値関数の記号と表記する。
 特にnが非整数のときは、Lame固有値関数の関係となる。またnが整数でv→+∞のとき、Lame固有値関数の漸近関係となる。
 Lamé 固有値関数の数値計算は、Mathieu 固有値関数と同様に、無限次連分数方程式や三重対角行列の固有値に基づく方程式を用いると便利である。補助的な固有値関数
補助的なLamé固有値関数
を介すると、三重対角行列法の場合は、
  • Lame固有値関数の三重対角行列法
となる。ここにLame関数のFourier係数は、第1種 Lamé 関数を Fourier 級数展開したときの係数である。
 なお、nが非整数次の場合は、
  • Lame固有値関数の三重対角行列法
によって求められる。ここにrは、nを2で割ったときの余りである。

安定域・不安定域の形状

 青色領域または境界線上が 「安定域」、黄色領域が 「不安定域」 である。
 ①:Lamé固有値関数の記号n=0~12 (+1)。②:さらに広い領域の描画。

 ①:Lamé固有値関数の記号n=0~12 (+1)。②:さらに広い領域の描画。

安定域

 実変数の Lamé 固有値関数のグラフ。Lamé固有値関数の記号n=0~10 (+1)。
 (実線はLamé固有値関数の記号、破線はLamé固有値関数の記号である。以下同様。)
  • Lamé固有値関数のグラフ(実変数)

 実変数の Lamé 固有値関数のグラフ。Lamé固有値関数の記号n=0~10 (+1)。
  • Lamé固有値関数のグラフ(実変数)

 実変数の Lamé 固有値関数のグラフ。
 ①:Lamé固有値関数の記号n=0~10 (+1)。②:原点付近を拡大。いずれも太線はnが整数のとき。

 実変数の Lamé 固有値関数のグラフ。
 ①:Lamé固有値関数の記号n=0~10 (+1)。②:原点付近を拡大。いずれも太線はnが整数のとき。

 複素変数の Lamé 固有値関数Lamé固有値関数の記号のグラフ。
  • Lamé固有値関数のグラフ(複素変数)
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 複素変数の Lamé 固有値関数Lamé固有値関数の記号のグラフ。
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  • Lamé固有値関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の Lamé 固有値関数Lamé固有値関数の記号のグラフ。
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  • Lamé固有値関数のグラフ(複素変数)

 複素変数の Lamé 固有値関数Lamé固有値関数の記号のグラフ。
  • Lamé固有値関数のグラフ(複素変数)
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不安定域

 次数が複素数n+ui(nは整数、uは実数) のとき、グラフは不安定域を占める。
 実変数の Lamé 固有値関数Lamé固有値関数の記号のグラフ。
 n=0~7 (+1) かつ、u=0~8 (+0.2)。色調がn/10、輝度が1-u/9で変化する場合。太線はuが整数のとき。
  • Lamé固有値関数のグラフ(実変数)

 実変数の Lamé 固有値関数Lamé固有値関数の記号のグラフ。
 n=0~10 (+1) かつ、u=0~15 (+0.2)。色調がn/10、輝度が1-u/15で変化する場合。太線はuが整数のとき。
  • Lamé固有値関数のグラフ(実変数)

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安定域でも不安定域でもない

 次数が複素数n+ui(nは整数でない実数、uは実数) のとき、実数軸上で Lamé 固有値関数は実数値を取らず、安定域でも不安定域でもない。したがって、この場合は複素変数のグラフのみを描画する。
 複素変数の Lamé 固有値関数Lamé固有値関数の記号のグラフ。
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Heun 関数

日:Heun関数ホイン関数
英:Heun function,仏:Fonction de Heun,独:Heun funktion

 一般に 「Fuchs 型」 と称される二階線形常微分方程式
  • Fuchs型微分方程式
は、微分方程式の特異点としてN個の確定特異点z = a(1), ... , a(N-1), ∞のみを持つ。それぞれの確定特異点における特性指数{λ1, λ2}と基本解の組w1(z), w2(z)は、順に
  • 確定特異点と基本解の組
となる。ここに、2N個のパラメーターα, β, γ(k), q(k)があるが、先の微分方程式に付随する条件式によってγ(k)のうちの1個およびq(k)のうちの2個は他で表わされるので、本質的なパラメーターは2N-3個である。そのうち、N個のα,β,γ(k)は特性指数の値のみで決まるパラメーターであるが、残りのN-3個のq(k)はそうではなく、後者は 「アクセサリーパラメーター」 と呼ばれる。
 このように、線形常微分方程式の解の局所的な振る舞いは、微分方程式の特異点の位置と特性指数の値によってほぼ決定される※1。この理論の基礎は、L. Fuchs (1865年), F. G. Frobenius (1873年) 等によって整備されたが、先駆的には G. F. Riemann がP関数の研究をとおして重要な例を与えている。実際、N = 3ならば上記の Fuchs 型微分方程式の解は Riemann のP関数、すなわち超幾何関数で表わせる。
 一方、19世紀後半は Lamé の微分方程式にも関心が集まり始めた時期であった。これはN = 4の Fuchs 型微分方程式になっている。より標準的なN = 4の場合の研究は K. Heun が手掛け、1889年にその成果を公表している。そのため現在では、z = 0,1,a,∞を確定特異点とする二階線形常微分方程式
  • Heunの微分方程式
を Heun の微分方程式、その解wを Heun 関数と呼ぶようになった。特に、z = 0における二つの基本解のうち、w(0) = 1となるように選んだ第1種の解
  • 局所Heun関数
を、局所 Heun 関数 (Local Heun function) という※2。このとき、第2種の解は
  • 局所Heun関数(第2の基本解)
となり、z = 0における一般解は両者の線形結合式となる。同様にz = 1,a,∞における二つの基本解も、局所 Heun 関数を用いて表示できるので、合計で8種類の解がある。さらに、それらの各々に対して、パラメーターや独立変数の変換が24通りあるので、全部で8×24=192個の解の表示式が存在する※3。これは、超幾何微分方程式の解の表示式が全部で24個あることの拡張になっている。
 上記の第2種関数はγ≠2, 3, 4,…を条件とするが、第1種はそうではないので、両者の線形結合式を構成する際に都合が悪い。そこで、ここでは第1種と同じくγ≠0,-1,-2,…を条件とし、γ = 1のときにz = 0で対数分岐点を持つ独立解
  • 第2種局所Heun関数
を、具体的な第2種局所 Heun 関数として独自に定義する※2。これは、γが正の整数を通過してもグラフが滑らかに変形するような定義になっている。すなわち、第2の式は第1の式におけるガンマ関数係数と冪級数展開係数との間で極限をとれば得られ、第3の式は第1の式に l'Hôpital の定理を適用すれば得られる。
 qが特別な値をとるとき、Heun 関数は多項式や無理関数に還元されるため、他の楕円体関数系と同様に、q = qν(a; α, β, γ, δ)を固有値と見ることもできる。しかし、これは複雑な多変数の多価関数であり、主値として相応しい分枝の選定方法や、次数列と固有値列との対応順序は、Lamé 固有値関数になる特別な場合を除いて、それほど明確ではない。(したがって、ここではqを任意数値で指定する単なるパラメーターとして扱う。Heun 固有値関数については個別の項目を設けず、グラフも掲載しない※4。)
 より一般的な Heun 関数は、Riemann のP関数の無限級数で表わされる (記載例:「NIST」の716頁にある公式31.11.(ii)等) が、ここでは独自定義の関数として、Heun の微分方程式を直接数値的に解いて得られる関数
  • 一般Heun関数
を、「一般 Heun 関数」 と称して扱う※2。
 超幾何関数に対して合流型超幾何関数があるように、Heun の微分方程式についても、確定特異点のいくつかを合流させて不確定特異点に変えた各種の 「合流型 Heun の微分方程式」 と、その解となる 「合流型 Heun 関数」 が詳しく研究されている。当サイトでは、上記の一般 Heun 関数に準ずる方法で定義された合流型 Heun 関数を採用するが、詳細は別項目として後述する。
 合流型も含めた Heun 関数の応用例としては、ブラックホールの各種計量における特殊解への摂動問題、ヘリウムなど複数個のポテンシャル中心点を持つ調和振動子に関する量子力学等が知られている。

【註記】
※1 : 「ほぼ」 ではなく、アクセサリーパラメーターを持たないため完全に決定できる場合、その線形常微分方程式は 「rigid (リジッド)」 であると呼ばれる。超幾何微分方程式や一般超幾何関数の微分方程式は、rigid な例である。

※2 : ここで描画する Heun 関数のグラフは、次のような形状の分枝切断線を採用する。
 ① 実軸上の、区間(-∞, 0]および[1, +∞)の半直線。
 ② 中心がz = 0で偏角がArg(a)である動径上の、区間[a, ∞)の半直線。
 この分枝切断線は、例えば Oleg V. Motygin の論文 「On evaluation of the Heun functions」 (arXiv:1506.03848.) でも採用されている。因みにこの論文では、γ = 1のときにz = 0で対数分岐点を持つ第2種局所 Heun 関数が定義されている。記号Hsはその記述箇所からの拝借である (ただし、線形結合式の係数は当サイトと異なる定義) 。

※3 : 具体的な192個の解の表示式は、Robert S. Maierの論文 「The 192 Solutions of the Heun equation」 (Mathematics of Computation, Vol.76, No.258 (2007), p.811-843) で確認できる。

※4 : Heun 関数のプログラミング着手時から、無限次元三重対角行列法による固有値計算を試みているが、現在も上記の問題等が解決できていない。

第1種局所Heun関数の記号

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第2種局所Heun関数の記号

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一般Heun関数の記号

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合流型 Heun 関数

日:合流型Heun関数合流型ホイン関数
英:Confluent Heun function,仏:Fonction de Heun confluente,独:Konfluente Heun funktion

 Heun の微分方程式が有する4個の確定特異点z = 0,1,a,∞のうち、複数個を合流させて1個の不確定特異点に変えた微分方程式は、「合流型 Heun の微分方程式」 と呼ばれ、その解は 「合流型 Heun 関数」 と呼ばれる。より簡単な関数に還元される特別なパラメーターの場合を除いて、一般に Heun 関数・合流型 Heun 関数は超幾何関数系の特殊関数では表わせない。
 現在では、合流させる確定特異点の選択方法に応じて、4種類の典型的な合流型 Heun の微分方程式が次のように定義されている。

【Confluent Heun equation】
  • Confluent Heun equation
 これは、z = 0,1に確定特異点、z = ∞に1級の不確定特異点を持つ。つまり、Heun の微分方程式における確定特異点z = az = ∞に合流させると得られる。(代数的な) Mathieu の微分方程式, 回転楕円体波動微分方程式はこのクラスに含まれる。
 ここでは、この微分方程式の解を
  • Confluent Heun function
と表記することにする (標準的な関数記号がまだ存在しないため※1:以下同様) 。また、分枝切断線は実軸上の区間(-∞, 0]および[1, +∞)に置くものとする。

【Doubly-confluent Heun equation】
  • Doubly-confluent Heun equation
 これは、z = 0, ∞に1級の不確定特異点を持つ。つまり、Heun の微分方程式における確定特異点z = 1z = 0に、z = az = ∞に合流させると得られる。
 ここでは、この微分方程式の解を
  • Doubly-confluent Heun function
と表記することにする。また、分枝切断線は実軸上の区間(-∞, 0]に置くものとする。

【Biconfluent Heun equation】
  • Biconfluent Heun equation
 これは、z = 0に確定特異点、z = ∞に2級の不確定特異点を持つ。つまり、Heun の微分方程式における確定特異点z = 1, az = ∞に合流させると得られる。
 ここでは、この微分方程式の解を
  • Biconfluent Heun function
と表記することにする。また、分枝切断線は実軸上の区間(-∞, 0]に置くものとする。

【Triconfluent Heun equation】
  • Triconfluent Heun equation
 これは、z = ∞に3級の不確定特異点を持つ。つまり、Heun の微分方程式における確定特異点z = 0, 1, az = ∞に合流させると得られる。
 ここでは、この微分方程式の解を
  • Triconfluent Heun function
と表記することにする。この関数は超越整関数である。

*******

 なお、確定特異点の合流が段階的な順序を経て成されると見るならば、Heun の微分方程式と4種類の合流型 Heun の微分方程式は、次のような階層構造になっていると考えることもできる。
  • Heunの微分方程式の合流階層構造

【註記】
※1 : Maple および Mathematica では、両者ともに局所 Heun 関数が HeunG、合流型 Heun 関数が HeunC, HeunD, HeunB, および HeunT なるコマンド名で実装されているが、パラメーターおよび初期値の取り方は当サイトと異なる。

合流型Heun関数の記号

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合流型Heun関数の記号

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合流型Heun関数の記号

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合流型Heun関数の記号

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 合流型 Heun 関数合流型Heun関数の記号のグラフは、原点に対称で完全な3数性を持つ。ただし、この場合は合流型超幾何関数合流型超幾何関数の記号を解析接続した関数に還元される。(下記グラフはα=1+3iω0=1.7の場合。)
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