特殊関数 グラフィックスライブラリー
Graphics Library of Special functions
http://math-functions-1.watson.jp
特殊関数 Menu
Hill 関数
Hill 関数 (周期関数項が楕円テータ関数)
日:Hill関数,ヒル関数英:Hill function,仏:Fonction de Hill,独:Hillsche funktion
2階の線形常微分方程式
天体力学における制限三体問題(3天体のうち、2天体は互いの重心を楕円軌道で公転し、残り1天体の質量が他に比べて無視できるほど小さい場合の1天体の軌道)の理想的な周期軌道解を求めるため、1886年に G. W. Hill がこの微分方程式を考察した。
がを周期とし Fourier 級数に展開されるとした場合、Hill の微分方程式はしばしば
の形でも定義される。Hill の微分方程式の解を、Hill 関数という。ここに、
は初期値である※1。
Hill の微分方程式は周期関数項を持つ基本的な線形常微分方程式とみなされる。が周期関数であっても、Hill の微分方程式の解が周期関数になるのは特定の場合に限られる。しかし、線形独立な二つの基本解のうち、一方が常に
なる擬周期性を満たすように選ぶことができる。これは Floquet の定理と呼ばれ、このときのを 特性指数という。特性指数は前述の Fourier 級数の係数を要素とする、ある無限次正方行列式の方程式の解として求められるが、その具体的な式は複雑なので記載を省略する。また、一般的な Hill の微分方程式に対して固有値を具体的に求めることも非常に難しい。
Hill 関数の特別な場合としては、
等がある。Mathieu 関数,Lamé 関数については、それぞれ個別の頁で既に触れているので、ここでは扱わない。また、Whittaker - Hill 関数のグラフの概形は Mathieu 関数とよく似ているので、これも省略する※2。
そこで、この頁では順に
を扱うことにする。ただし、Mathieu 関数や Lamé 関数のときのように、Floquet の定理に基づいて、基本解の一方が周期関数となる特別な場合を選んでグラフを描画することは(難しいため)しない。代わりに、初期値の設定によって偶関数と奇関数になる二つの場合をもって基本解の代表とする。
【註記】
※1 Hill 関数の標準的な関数記号はまだ存在しないため、便宜的にこのような表記にした。なお、以降ではこの関数記号の末尾引数におけるを、#と&で表現している。これはプログラミング構文における 「純関数」 または 「ラムダ計算」 の記述方法に相当する。
※2 複素変数の Whittaker - Hill 関数も、「NDSolveHill.m」 にある関数 ”Hill[ ]” を用いて計算できます。
※1 Hill 関数の標準的な関数記号はまだ存在しないため、便宜的にこのような表記にした。なお、以降ではこの関数記号の末尾引数におけるを、#と&で表現している。これはプログラミング構文における 「純関数」 または 「ラムダ計算」 の記述方法に相当する。
※2 複素変数の Whittaker - Hill 関数も、「NDSolveHill.m」 にある関数 ”Hill[ ]” を用いて計算できます。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
Hill 関数 (周期関数項が合成三角関数)
ここでは特に、Hill の微分方程式となる場合について考察する。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
実変数の Hill 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-5~5 (+0.25)。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
複素変数の Hill 関数のグラフ。
Meissner 関数
ここでは特に、Hill の微分方程式における周期関数項が矩形波関数※1となったまた、の関数と考えたときの固有値を Meissner 固有値関数と称する。これは、Mathieu 固有値関数に相当するものであるが、この場合は初等関数の陰関数
で表わされる。
実変数の Meissner 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-3~3 (+0.2)。
実変数の Meissner 関数のグラフ。順に、①, ②。いずれも=-3~3 (+0.2)。
複素変数の Meissner 関数のグラフ。
複素変数の Meissner 関数のグラフ。
Meissner 固有値関数の安定域(青色または境界線上)、不安定域(黄色)。②は、①よりも広い範囲のグラフ。